十種神宝 中学国語の基礎・基本

稗田先生は、永く公立小中学校にお勤めでした。 その先生からお聞きした、 主に中学校の国語の教材のことなどを 書き留めました。

稗田先生からお聞きした、中学校の国語の授業メモです。
HP「十種神宝 中学国語 学習の手引き」の下書きになっています。興味のある方はこちらもご覧下さい。https://y-oono.jimdofree.com/
中学生のみなさんにもわかるようにまとめました。

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作品は作者の自己投影?

『少年の日の思い出』(Jugendgedenken)は、もともとヘルマン・ヘッセが1911年に発表した『クジャクヤママユ』(Das Nachtpfauenauge)を、地元の新聞向けに1931年に改稿したものです。
この年に留学中の独文学者・高橋健二氏がスイスにてヘッセを訪問した折、帰り際に道中の無聊を慰めるようにと、ヘッセから同紙の切り抜きを手渡されました。
帰国後それを翻訳して日本で発表したものが『少年の日の思い出』ということです。

この文章は1947年の国定教科書『中学国語』に掲載されて以来、70年以上も多くの教科書に掲載され続け、義務教育課程で中学一年生にトラウマを植え続けることになりました。

主人公の「僕」より知名度の高いエーミールの「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」というセリフがクラスの流行語になることだってあります。

「なんでこんな暗い作品が……」と思いますが、こんな作品だからこそ教材研究や授業のしがいがあるというものでしょう。(笑)

それはさておき、最近のラノベやケータイ小説にはチートキャラの主人公がよく登場します。
これは作者の願望の姿であり、自己投影で、主人公のキャラクターに作者自身を重ね合わせカタルシスを得ている、というのです。

自己投影は別に最近のラノベに限ったことではありません。
夏目漱石だって、森鴎外だって、作家というものは登場人物に自分自身を投影させています。これは、少し小説を読んでみればわかることだと思います。

「少年の日の思い出」も同じだと思います。
この物語で、主人公は強烈なトラウマを持ちます。登場人物が作者ヘルマン・ヘッセの自己投影ならば、このようなトラウマは、作者であるヘッセにもあったのではないでしょうか。

作者の経歴

そこでヘッセの経歴を調べてみました。
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ヘルマン・ヘッセ
ヘルマン・ヘッセは1877年に、敬虔なプロテスタントの家に生まれ育った宣教師の父母の二番目の子供として生まれます。父親は言語学者として、また学校の創設者として有名な人でした。

ヘッセもまた宣教師になるべく、1891年にプロテスタント修道院神学校の神学校生となります。

翌年、規則づくめの学校に耐えきれず「詩人になるか、さもなければ何にも」ならないとの決意し逃げ出します。しかし、すぐに捕まり両親の友人の神学者に預けられますが、そこで自殺未遂をします。

友人の神学者はこれを「悪意と悪魔的行為」として、ヘッセを精神病院に入れることを両親に薦めました。ヘッセは結局、施設に送られて4ヶ月過ごします。診断は鬱病だったそうです。

退院した彼は、また学校へ行き始めますが、すぐにやめてしまいます。14~15歳のことです。

「少年の日の思い出」に投影された作者

ヘッセの経歴と「少年の日の思い出」には、次のような共通点があります。
  • ヘッセもエーミールも共に「先生の息子」である。
  • ヘッセの神学校を逃げ出す姿は、「僕」の学校をサボる姿と重なる。
  • 「僕」のしたことは「悪意と悪魔的行為」としてによりエーミールに裁かれる。
現在残るヘッセの書斎には、彼が採集した昆虫標本のコレクション箱が飾ってあるそうです。

その中に羽根が片方とれたクジャクヤママユの標本があるそうです。
(これはいくつかの中学生用資料集にも載っていますね。)
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作品では、壊れたクジャクヤママユの標本をもっているのはエーミールです。

「僕」が作者の投影された姿であることは容易に想像がつきます。
一方エーミールもまた、壊れたクジャクヤママユの標本を持っていることから、作者の投影された姿だったのではないでしょうか。

「僕」が詩人をめざした作者の投影だったとすると、エーミールは父母の期待に応えようとした「もう一人の『僕』」だったのではないでしょうか。

蝶の美を求め続けた芸術家の「僕」社会正義のエージェントであるエーミールは、共にヘッセの投影だとします。
すると、プロローグの「客=友人=『僕』」は、あの時詩人への道をあきらめてしまったヘッセの「もしも」の姿だったというのは、考えすぎでしょうか。

「客」はもうちょう集めをやめてしまっていますが、ヘッセも、自分があの時、詩作をやめてしまっていたら、今でも心が痛むだろうな、と思ってこの作品を書いたのではないかと思えてなりません。

この解釈をもとに、物語を「別の人物の視点で書こう」というのを本単元のねらいとします。

この「別の人物の視点で」が更に発展して、2年生の「走れメロス」の批判的な読解につながっていくのだと思います。

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6時間目 なぜ作者は「走れメロス」を書いたのだろう

いよいよ、単元の最後の授業です。
ここまで「走れメロス」を書いた作者の意図を追究してきたのですから、やはりネタばらしが必要でしょう。

作者太宰治の「走れメロス」創作の発端としては、以下の話があります。
  • 懇意にしていた熱海の村上旅館に太宰が入り浸って、いつまでも戻らないので、妻が「きっと良くない生活をしているのでは……」と心配し、太宰の友人である檀一雄に「様子を見て来て欲しい」と依頼した。
  • 往復の交通費と宿代などを持たされ、熱海を訪れた檀を、太宰は大歓迎する。檀を引き止めて連日飲み歩き、とうとう預かってきた金を全て使い切ってしまった。飲み代や宿代も溜まってきたところで太宰は、檀に「宿賃のかたに身代わりになって宿にとどまり自分を待っていてくれと説得し、東京にいる井伏鱒二のところに借金をしに行ってしまう。
  • 数日待ってもいっこうに音沙汰もない太宰にしびれを切らした檀が、宿屋と飲み屋に支払いを待ってもらい、井伏のもとに駆けつけると、2人はのん気に将棋を指していた。太宰は今まで散々面倒をかけてきた井伏に、借金の申し出のタイミングがつかめずにいたのであるが、激怒しかけた檀に太宰は「待つ身が辛いかね。待たせる身が辛いかね。」 と言ったという。
  • 後日、発表された『走れメロス』を読んだ檀は「おそらく私達の熱海行が少なくもその重要な心情の発端になっていはしないかと考えた」と『小説 太宰治』に書き残している。
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左が太宰治、右が檀一雄

これを簡単に説明し、
  • メロスは太宰、セリヌンティウスは壇だったのかも知れないね。太宰を待っていた檀と同じように、壇を待たせていた自分もつらかった、壇の信頼に応えるために間に合わなくてもずっと走り続けたのだ、とでも言いたかったのかも知れませんね。
とまとめます。

ここで生徒から「ひでえ」「最低」等のブーイングが起こることがあります。

以上は早めに切り上げて、「さて、今回の学習を踏まえて、平成29年度の全国学調の問題にチャレンジしてみましょう」と、用意した問3を15分くらいでやらせます。
そして採点基準を示し、正解を導くためのポイントを説明します。

これは、三年生になったらすぐ実施される全国学調の練習になります。

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5時間目 「もっと恐ろしく大きいもの」とは何か

Ep.1~6で生徒のわかりにくいものはEp.5の「もっと恐ろしく大きいもの」とは何かだと思います。
この疑問をうまく生徒から引き出せれば良いですが、ダメだったらこちらから提示します。

この部分は次のようになっています。
  • それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わないは問題ではないのだ。人の命も問題ではないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいもののために走っているのだ。
一方「人質」では次のようになっています。
  • たとえ遅くなり過ぎても、そして俺が奴に/歓迎される救い手として現れることができなくても、/俺は死んで奴と一緒になるつもりだ。/残忍な暴君に/友が友に対して義務を果たさなかったことを/自慢させてなるものか。/暴君には二人を犠牲として殺させ、/そして愛と誠を信じさせてやるのだ。
「人質」でメロスが走る理由は、王に「愛と誠を信じさせてやる」ためです。
そのためにメロスは、間に合おうと間に合うまいと死を前提にして走ります。

一方「走れメロス」は「信じられているから走るのだ」と説明しています。
直前の「それだから」は、メフィストラトスの語った「メロスは来ますとだけ答え、強い信念を持ち続けている様子」を指します。

友に「メロスは(間に合っても間に合わなくても必ず)来ます」と信じられているのが走る理由になっています。
「走れメロス」でメロスが走る理由は「友の信頼を裏切らない」ためなのです。

この友から信頼されているということが「もっと恐ろしく大きいもの」でしょう。

約束を守り刻限までに刑場に戻るという結果ではなく、
約束を守ろうとした気持ちこそが大切である、という主張です。
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この内容は、一人一人に考えをまとめさせ、グループ→全体と検討を進めていきます。

時間があれば、
  • なぜフィロストラトスをメロスの家の執事からセリヌンティウスの弟子にしたんだろうね。
と問いかけます。これはノーヒントです。
難しいかも知れませんが、クラスの中の数人は
  • 執事だったらメロスに「結果はわかっているから走るのをやめろ」というのは当たり前。セリヌンティウスの側の人間にそれを言わせたかったのではないか。
と気づきます。
この気づきがクラスに自然と広がり納得していく場面が授業の見所となるでしょう。

時間をかければ気づくと思いますが、時間が足りないようでしたら「もしセリヌンティウスの台詞が、メロスの執事が行ったとしたらどうかな?」とヒントを出しても良いでしょう。

更に時間が余れば「信じられているから行動する」という視点から、それぞれのエピソードを関連付けるとよいでしょう。

そして最後に、「最初メロスは身代わりの友を助けるという結果を出すために走ったけれど、最後には信頼されているから走るという気持ちにかわった、ということを作者は書きたかったんだね」とまとめます。


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3 シラーの「人質」読み、学習問題をもつ

  • 前の時間に、たくさんの謎を発見しましたが、この謎を解き明かしていきましょう。実はこの文章には元ネタがあります。この元ネタと「走れメロス」を比べて、なぜ作者は元ネタをこのように書き換えたのか考えていきましょう。
と提案し、やはり行番号をつけた「人質」を配ります。
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まず「人質」の最初の連「暴君ディオニソス王にダモンは~『お前はその短剣で何をしようとしたのだ、話せ!』」を読み、「走れメロス」のどこがそれにあたるか、傍線を引かせます。

全員がそれができたのを確かめ、ゆっくりと「人質」を読みながら「走れメロス」に傍線を引かせていきます。

全文を読み通したら、感想を発表させます。
当然「そっくりだ」という感想の他に「なぜ書き加えたり変えたりしたのだろう」という疑問が出されるでしょう。

そこでグループで、作者が書き加えた内容と書き改めた内容を確認させ、発表させます。

「人質」に対して大きく書き加えられたり書き改められたりした内容は以下の通りです。
  1. メロスが暗殺を企てる動機=王は「人を信ずることができぬ」という理由で粛清を行う。
  2. メロスと王のやりとり1=「人の心」を疑うVS疑わない
  3. メロスと王のやりとり2=メロスの約束に対する王の気持ち
  4. 妹の結婚式の場面=メロスの葛藤
  5. メロスが出発する場面=「人の信実の存するところを見せてやろう」
  6. 濁流と山賊の場面=「愛と誠の偉大な力」
  7. 倒れる直前のメロスの心情=約束不履行に対する言い訳
  8. 清水を飲んで歩き始める場面=義務遂行の希望から行動へ
  9. フィロストラトスとの会話=「もっと恐ろしく大きいもののために走っている」
  10. 刑場=互いの頬を殴り合う
  11. 終末=メロスの赤面
これらを時系列に沿って板書していきますが、全部出てこなくてもかまいません。
「作者はなぜこのように書き足したり書き加えたりしたのか」という問いは、感想発表の段階で出てくればよいのですが、もし出てこなければ「なぜこう書いたんだろうね」と問いかけ、意識づけていきます。

この段階で生徒たちは、だだ出しただけなので、どのような内容なのかの共通認識は持っていません。

そこで次の時間に
  • 「走れメロス」を「人質」と比べることで、「走れメロス」の謎を解き明かしていこう。
と予告して授業を終わります。

4時間目 「走れメロス」と「人質」を比較し、作者の意図を考える

 1~11の場面は、いくつかのエピソードとして以下のように統合することができます。
  • Ep.1 1~3 メロスと王=対比
  • Ep.2 4~5 妹の結婚式=メロスの決意に至る逡巡
  • Ep.3 6    濁流と山賊=外的阻害要因
  • Ep.4 7~8 悪い夢=内的阻害要因
  • Ep.5 9    フィロストラトスとの会話=走る目的
  • Ep.6 10    互いの頬を殴り合う=信実
六つに分けたのは、班の数による都合です。

意図的に11は入れてありません。
班の数の都合もありましたが、物語の展開から唐突な感じがするからです。

だいたい少女は、王の宣伝のために集められた民衆の一人です。
それまでの細かなメロスの心情の経緯などわかりっこありません。
作者は何らかの意図があってこのエピソードを書き加えたのだと思いますが、それを論証することは難しいでしょう。

ちなみに、中世でマントは権威の象徴で、緋色のマントを羽織った皇帝の肖像が残されています。
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緋のマントを着たディオニシス2世とダモクレス

赤はもともと神聖な意味を持った色とされていました。(今では共産主義の色ですね。)
ですからメロス=英雄というイメージを持たせたかったのかも知れません。
もっとも「緋色」と訳されるスカーレットは枢機卿の色であると同時に、淫婦や姦通の象徴でもあるそうです。

「英雄メロスが無位無冠であるのが恥ずかしいので権威を持たせたかった」という解釈ならまだいいのですが、「少女は尻軽女だった」というトンデモ解釈に陥らないためにも生徒には追究させたくありません。

それぞれの班にエピソードを割り振り、まず一人一人で次にグループで
  • どんな違いがあるのか、言葉に注意して傍線をひきながら細かくチェックし、なぜ書き加えたり書き直したりしたのだろう。考えてみよう。
と仮説をたてさせます。

そして「『走れメロス』はこう書いてあるが、『人質』はこうなっている(書かれていない)。
これは、作者にこのような意図があったためだと思う」というようにまとめさせ、発表させます。

この発表を聞きながら、ストーリーに沿って板書していきます。
だいたい次のような内容になると思います。
  • Ep.1 「人の心」に対し、メロスは疑わない、王は疑う、という性格の違いをはっきりさせている。
  • Ep.2 刑場に戻ることを迷う心の葛藤と、それを振り切って「信実」を示そうとする自分は「偉い男」で周囲は「誇り」に思うべきだという、メロスの自己陶酔的な性格をはっきりさせている。
  • Ep.3 濁流や山賊などの外的要因に対して、「愛と誠」「正義」は負けなかったことを示している。
  • Ep.4 疲労によって生じた心の弱さから、「自分は醜い裏切り者だ」と考えたことを強調している。
  • Ep.5 フィロストラトスがメロスの家令からセリヌンティウスの弟子になっている。また、メロスが走る理由を、「人質」では遅れても自分も死ぬことで王に「愛と誠を信じさせてやる」というのが目的であるのに対し「走れメロス」では「もっと恐ろしく大きいもののために走っている」となっている。
  • Ep.6 一度は「信実」を裏切った二人は、互いを罰することにより赦しあったことを示している。
この通り出てくることは少ないと思います。しかしそれはそれでかまいません。
生徒の考えのままエピソード順に板書していきます。

大切なことは複数のテキストを読み、抽出した要素から一つの結論を出す「考える力」を育てることなのです。


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「走れメロス」は指導時間6時間の単元です。指導事項は、次のようになっています。

  • ア 抽象的な概念を表す語句や心情を表す語句などに注意して読むこと。
  • イ 文章全体と部分との関係、例示や描写の効果、登場人物の言動の意味などを考え、内容の理解に役立てること。
  • ウ 文章の構成や展開、表現の仕方について、根拠を明確にして自分の考えをまとめること。
言語活動例として、次のものがあがっています。
  • ア 詩歌や物語などを読み、内容や表現の仕方について感想を交流すること。
これだけトンデモ設定てんこ盛りの小説ですから、テキストをもとに主題や人物の心情等を詳細に読解・追究させることはためらわれます。
特に、きっちり読めば読むほど主人公の性格・行動は異常ですから、道徳的な内容を単元のゴールに入れるのは絶対に避けたいと考えます。

「走れメロス」は、原本の末尾に「古伝説とレシレルの詩から」とあるように元ネタがあります。「レシレルの詩」とはシラーの詩「人質」のことです。これは指導書にも載っています。そこで、この「人質」と比較しながら読むことを通し、作者が書き加えた内容・書き改めた内容から作者の意図を考える単元展開を考えました。

1 全文を通読し、感想をもつ

「走れメロス」全文に行番号をつけたものを印刷し、範読します。
行番号をつけるのは、その後の授業で、どこのことを行っているのか共通に理解するためです。
範読するのは、この作品の、テンポが良くたたみかけるような表現や、演劇的な台詞回しを生徒に感じさせるためです。
私は講談師のイメージで、部分的にはラジオドラマ風に読み聞かせています。
解説しながらゆっくり演ずると、授業の半分以上はそれで終わってしまいます。
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この読み聞かせを終わると、初発の感想を書かせます。
場面の緊張感やメロスの心情が伝わるように演劇的な読み聞かせを行うのですから、メロスに否定的な感想を持つ生徒はほとんどいません。
これを書かせて発表させ、一時間が終わります。

2 「走れメロス」を批判的に読み、疑問点を出し合う

授業の最初に「『走れメロス』を読んで、疑問に思ったこと、もっと知りたいことはないか」と問います。

最初から疑問等が出てこなくてもかまいません。
出てきたら「そうだね、よく気がついたね」と板書しておきます。

「他にも、同じ2年生でこの話に疑問をもった人がいるんだよね」と行って、「算数・数学の自由研究」作品コンクール(理数教育研究所 2013)の「メロスの全力を検証」を配布します。

ここに書かれているのは、メロスは全力で走ってなどいない、という内容です。
黙って読ませ、内容をおさえながら論旨をまとめます。

そして
  • 「走れメロス」は、今まで学習してきた文学的文章よりもずいぶんとツッコミどころがある作品だと言われています。自分たちも、そのおかしなことを探してみましょう。
と考えさせます。

そして配布したプリントに傍線を引かせ、その箇所を疑問や矛盾とともに発表させます。

するとさまざまな疑問や矛盾点が出てきますから、これらは「謎」としてしっかり取り上げます。
この中に「メロスはなぜ走り通したか」や「なぜ王様は改心したか」など、主題に関わる疑問も出てきます。
これらはきちんと取り上げ「これは大切な疑問だから、単元の最後までしっかりとっておいてね」と全員に伝えます。


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