中学3年生の国語の教科書(光村図書)に井上ひさしの「握手」という作品が載っています。

 死期を悟ったルロイ修道士は、主人公の「私」に、
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 「仕事がうまくいかないときは、この言葉を思い出してください。
 『困難は分割せよ。』
 あせってはなりません。問題を細かく割って、一つ一つ地道に片づけていくのです。
 ルロイのこの言葉を忘れないでください。」

と伝えます。

 この「困難は分割せよ」というのは、デカルトの言葉とされています。
 原文は「検討する難問の1つ1つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分割すること。」(デカルト『方法序説』谷川多佳子訳 岩波文庫)です。
 ビル・ゲイツも似たようなことを言っていますね。

 どういう意味でしょう。

 バケツよりも大きな石だからバケツには入らないと思っていても、大きな石は分割すればバケツに入れることができます。
 これがルロイ修道士の言う「困難は分割せよ」ということだと思います。

 更に、スティーブン・R・コヴィー博士は、スケジューリングについて、この石の例を使って次のように説明しています。

 1週間という期間の中でやらなければならないことはたくさんあります。
 バケツの中に細かな予定、つまり小さな石や砂を先に入れてしまうと、すぐに半分ぐらい埋まってしまいます。
 そうすると重要で大切なこと、つまり大きな石が入るスペースがなくなってしまいます。
 これでは重要なことが、また先送りされてしまいます。

 ではどのようにしたら、たくさんの大きな石をバケツに入れることが出来るでしょうか。
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 大きな石を先に入れ、小さな石や砂を後から入れればいいのです。
 時間管理も同じことが言えます。

 たいして重要でない用事(=砂)を先にやろうとするため、肝心の重要な予定(=大きな石)に時間を割くことができないのです。
 重要なことを実行しようと思うならば、まず大きな石をスケジュールに先に入れることです。

 仕事の期限は決まっています。そして1日は24時間……これを変えることはできません。

 バケツに入らない大きな仕事は、それを小部分に分割することと、全体として重要な部分・緊急な部分、そうではない部分の優先順位と組合わせが大切なのです。

 目の前の仕事、すぐに結果の出る仕事をやみくもに行うのではなく、始める前に段取りを組んでから行いましょう。
 1日ではなく、1週間、1ヶ月、1学期、1年という単位でバランスよく段取りを組んで、取組んでいくことも重要です。

 そのために、毎週決まった時間に15分~30分くらいの時間をとって、「来週、本当にやらなくてはならないことは何なのか」を自分に問いかけ、実際のスケジュールに、それを優先的に入れましょう。
 そして、空いた隙間に小さな石や砂を入れるようにしましょう。そうすれば、あなたの1週間を効果的に過ごすことができます。そのための週暦や月暦です。
 また、その朝に日報を見たら、2~3分程度でいいので、その日の予定を組み立てましょう。

 当然、イレギュラーなことが発生し、予定が狂うこともあります。
 「イレギュラーなことがあって当たり前」なのが私たちの仕事です。
 しかし、時間(期限)を守ることができないと、他人に迷惑がかかります。これでは社会人として失格です。
 他人に迷惑をかけないためには、予定が狂うことを織り込んで予定を立てておくことも大切ですね。


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