職場体験学習で、生徒に人気のある職場の一つにケーキ屋さんというのがあります。
将来パティシエになりたい、という夢を持っている子もいるのではないでしょうか。
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パティシエになるために必要な資格はありません。
一般的には専門学校(製菓学校や料理学校の製菓コース)や短期大学など、
学校で基本的な知識や技術を身につけてから求人を探す人も多いようです。

学校を卒業したあとに、
洋菓子の本場と考えられているフランスなどの料理学校への留学をめざしたり、
有名ホテルのパティシエ部門で修業を積んでキャリア形成をし、
将来が自分のお店を持つ
……というのが理想的な進路ですね。

ところで,まともなケーキ屋さんは売れ残ったケーキがあっても決して安売りをしません。

なぜでしょう。

それは、もし夕方に割引したら客は夕方にしか来なくなってしまいます。
それでは経営が成り立たないからです。

それに,そのお店のブランドイメージを傷つけます。
「売れ残りを割引」はやはりいいイメージはないですよね。

まあ中には次の日に前日の売れ残りを「本日のサービス品」として売ってるお店もありますが…。
25日のクリスマスケーキの比喩を考えればイメージがわきますね。

授業も同じです。

テスト直前に「ここ、テストに出るぞ」とテスト範囲の復習をやってあげたらどうでしょう。

確かに“復習の授業”でやった問題が出て点数が上がれば生徒は喜ぶかも知れません。
しかし「毎日の授業って、何だったの?」「テスト直前の“復習の授業”を受けていればいいの?」ということになってしまいます。

しかも復習で点数を上げることができるのは、所詮暗記が効く知識レベルの問題です。
知識以外は、類似の問題を教えて練習させるしか方法がありません。

“復習の授業”は夕方に売れ残りのケーキを売るケーキ屋さんと同じです。
毎日の授業でしっかり定着させることができなかった、積み残しの内容を安売りしているだけなのです。

その教科の先生方全員が申し合わせて知識のブラッシュアップのための“値引きセール”をやっているのなら問題はないと思います。
しかし、もし“値引きセール”を潔しとしない先生がその教科に一人でもいたとしたら…。

生徒はその先生をどう思うでしょう。
毎日の授業をどう思うでしょう。

私たちの使命は、生徒の点数を上げることだけではないと思います。
(まあ、そういう面もあることは否定はしませんが…それが第一義でないことだけは確かです。)

基本“復習の授業”を主に行っているのは塾です。
そして塾に先んじて学習を進め、学習指導要領に示される学力をつけるのが“学校”です。

テスト前の“復習の授業”というのは、
“学校”というブランドイメージを大きく損なう行為なのではないでしょうか。

現在“アクティブラーニング”という考え方が大きく取り上げられています。
指導要領から文言がはずされましたが…私は良い判断だと思いますよ。

アクティブラーニングというのは、
知識などを受動的に身につけることに対する痛烈な批判が根底にあります。
「考える力」とか「解決する力」とか、難しい事はよくわかりませんが、
一方的に教えるのが授業ではないよ、という考え方です。

“復習の授業”はこれに逆行しているような気がしてなりません。

みなさん、時間が余ったら
「テスト勉強の自習だよ」と言い、復習は生徒に任せましょう。
そしてテスト前に時間が余らないように、きちんと教材研究をして毎日の授業を充実させましょう。