新そばの季節となりました。各地で新そば祭りが開かれています。
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そもそも「新そば」とは秋蒔きのそばで9月から11月に採れたものを年内に食べる「秋新」と呼ばれるソバのことです。

じつは「秋新」に対し「夏新」というのもあり、これは6月中旬から8月中旬に収穫されます。
夏新より秋新のほうが味・香りが断然優れるため、あえて秋新だけが「新そば」と呼ばれもてはやされてきました。
最近はオーストラリア方面から輸入され、保存技術も格段に向上していますから、味の違いはそんなにないかも知れませんが、
やはり収穫されたばかりの「新そば」は高い香りはもちろんその味わいは何とも言い難いうまさを感じてしまいます。

そばは、かつては米の穫れない地域の救荒食物でした。
しかし江戸時代になって「粋」な食べ物として「文化」の域にまで高めた先人の知恵にはほとほと敬服します。

ちなみに、「そばは、そばとして純粋に味わって欲しい」というこだわりのお店もありますが、
私は「そば前」が大好きです。
そばつゆを使った卵焼きや上等な板わさなどをつまみに熱燗で一杯、というのはこれからの季節たまりませんね。

さて、新そばの季節だからこそ、もっとおいしくそばをいただきましょう。
「挽きたて、打ちたて、ゆでたて」がうまいそばの条件といわれ、これを俗に「三たて」といいます。
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製粉してすぐの粉を使い、打ったばかりの生地を包丁で切り、ゆで上げ、素早く水切りして出すそばがうまいのです。
少しでも時間がかかると、香りも味もどんどんと逃げていきます。

実際には、打ちたての場合のみ、包丁で切ったあとしばらく時間をおいて寝かしたほうが麺を打つ際に使った水が馴染み、ゆでが均一になってさらにうまいそばになると言われています。

そして、穫れたての野菜や果物がおいしいのと同じように、収穫したてのそばの風味は別格です。
淡く緑がかった新そばの時期は「三たて」ならぬ「四たて」の味が堪能できる絶好の季節です。

これはそばばかりではありません。
ラーメンなどは言うまでもありません。
伊丹十三は『女たちよ』の中で
「(スパゲッティは)温めたお皿に手早く盛り付け、まだ湯気が出ているうちにすぐ食べる(のが良い)」と言っていますし、
お寿司だって握ってもらったらすぐ食べる方が美味しいのです。

仕事も同じです。
「やらなくていいことはやらない。やらなければならないことは手短に」
というのは『氷菓』の主人公、折木奉太郎君の言葉ですが、
これは仕事の上ではあたりまえのことです。
ダウンロード (2)© 米澤穂信/京都アニメーション
それ以上に、やらなければならない仕事が発生してから、実際にその仕事を始めるまでにどのくらいの時間がかかっているでしょうか。

そんな時は、「困難は分割せよ」を参考に、仕事の優先順位を決め、効率化につとめましょう。

そばは伸びてしまったら、(食べるに値しないとまでは言いませんが)せっかくの新そばも台無しになるのです。
自分の仕事をマネジメントするのは自分しかいません。
伸びたそばを人に食べさせることだけはやめましょう。