生徒用の資料・解説は、こちらのHPに載せてあります。
興味のある方はどうぞご覧下さい。

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「幻の魚は生きていた」は5時間扱いの単元です。
指導事項は、
B書くこと
  • ウ 伝えたい事実や事柄について、自分の考えや気持ちを根拠を明確にして書くこと。
C読むこと
  • イ 文章の中心的な部分と付加的な部分、事実と意見などとを読み分け、目的や必要に応じて要約したり要旨をとらえたりすること。
  • オ 文章に表れているものの見方や考え方をとらえ、自分のものの見方や考え方を広くすること。
となっています。

私たちは自然保護の大切さ等の道徳の授業や、魚の生態等の理科の授業をしているのではありません。
国語としてどのように展開していったらよいのでしょうか。
imagesクニマス

第1時 問題提起文の答えにあたる文の見つけ方

まず範読します。
2段落まで読み進めると問題提起文が二つあります。
  1. クニマスはなぜ田沢湖で絶滅したのだろう。
  2. また、絶滅したと思われていたクニマスが、なぜ遠く離れた西湖で生きていたのだろうか。
ここまで読み、
  • 問題提起文には答えにあたる部分が必ずあります。それはどこか、まず最初の問題提起文の答えにあたる部分を見つけなさい。問題提起1の答えにあたる文を発見しましょう。
と問います。
5分もせずに、6段落にあることがすぐにわかると思います。

6段落は次の二文で出来ています。

  1. こうしてクニマスは、人の手による環境の改変によって、他の多くの生物と共に田沢湖から姿を消した。
  2. そして、地元の人々の生活に根ざしていたクニマスをめぐる文化も同時に消えていった。

生徒は1.が答えに当たる文だということはすぐにわかるでしょう。

なぜ1.が答えにあたる文だと言えるのか
  • クニマスはなぜ田沢湖で絶滅したのだろう。(問題提起文1)
  • こうしてクニマスは人の手による環境の改変によって、他の多くの生物と共に田沢湖から姿を消した。(6段落第1文)
二つの文では、共に「クニマスは」とあり、問題提起文の「田沢湖で絶滅した」と①の「田沢湖から姿を消した」が対応しています。
そして「なぜ」に対応する部分は「人の手による環境の改変によって」です。
ポイントは、問題提起文と対応する文が答えにあたる文であることを生徒に気づかせるのです。

この仕組みは、教師から教えてしまったのでは定着しません。
いろいろ意見を出させる中で生徒自らが気づくように導いてやります。

そのためには、板書の仕方がポイントとなります。

更にこの活動の中で、
「人の手による環境の改変」の中身を知る手がかりは「こうして」が指示していることに気づかせます。

「人の手による環境の改変」とは、
「こうして」の直近にある「玉川の水は田沢湖に引き入れられた」ことであり、
その結果「酸性の水はクニマスをはじめとする田沢湖の生物に打撃を与え」たためです。
そしてこの目的は「農業用水」の確保と「水力発電に利用」することです。
これに傍線を引かせ、矢印で結ばせ
問題に特に指定がない場合は「こうして」に近い順に答えなくてはいけないことを教えます。

これでだいたい一時間が終わりますが、早めに終わった場合、②文の「クニマスをめぐる文化」について傍線を引かせるとよいでしょう。

答えは3段落の「出産祝いや、病気見舞い、誕生日祝いに贈られる」「地元の民話にも登場」ですが、
片方しか気がつかない生徒もいるようです。

「文化」とは「ある社会の成員が共有している行動様式や物質的側面を含めた生活様式」全般を言うようです。
ですから出産祝いや病気見舞いも文化なら、民話もカルチャー(文化)なのです。

これを機会に「文明」との違いをおさえておくのも良いかも知れませんね。
「文明開化」という言葉を例にとり、
「アニメ文化と言うがアニメ文明とは言わず、コンピューター文明と言うがコンピュータ文化とは言わないからね。文化は精神的な活動、文明は物質的な活動を主に指すんじゃないかな。」
くらいに押さえておくとよいでしょう。
細かくつっこむと、複雑な定義が諸説あるようですから、墓穴を掘らないように……。

このブログの内容を学習プリント(ワークシート)にしました。
興味のある方はこちらへどうぞ。


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