生徒用の資料・解説は、こちらのHPに載せてあります。
興味のある方はどうぞご覧下さい。

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第2時 問題提起2の答えにあたる文を見つける

問題提起文2は「クニマスが、なぜ遠く離れた西湖で生きていたのだろう。」です。
前時に、問題提起文1で6段落までをやりましたから、問題提起文2の答えにあたる文は、7段落以降にあります。

生徒に黙読させ、「これは」と思う一文に傍線を引かせます。

中には文章の最後かも知れないと考え、全部読もうとする生徒もいるかも知れません。
机間巡視で否定せず、ゆっくりと見守ってあげます。

5分程度で、生徒は次の二つの文を中心にあげてくると思います。
  • この黒いマスはクニマスであった。(12段落)
  • 「幻の魚」は生きていたのだ。(12段落)
  • こうした偶然の一致によって、田沢湖で絶滅したクニマスは、遠く離れた湖底で脈々と命をつないでいたのだ(13段落)
正解のポイントは、前時に学習した
  • 問題提起文と対応しているか
がきちんと言えるかです。
これを考えると、13段落の文が問題提起文と対応していることがわかります。
  • クニマスがなぜ遠く離れた西湖で生きていたのだろう。
  • こうした偶然の一致によって田沢湖で絶滅したクニマスは遠く離れた湖底で脈々と命をつないでいたのだ。
ダウンロード西湖

当然、これは生徒に発言させなくてはいけません。前時に学習したことなのですから、きちんと答えられる生徒になっているといいですね。

「偶然の一致」とは何か聞かれたら、どこに目をつけなくてはいけないのか

単純に「『偶然の一致』とは何か」と聞かないのは、国語科で大切なのは内容ではなく形式(読み方、考え方)だからです。

目をつけなくてはいけない場所は「こうした」です。
つまり「こうした」により指示される内容を的確に答えればよいわけです。

直近のものから順にあげると次のようになります。
  • 偶然の一致
  • クニマスが産卵して生存できる条件を備えていた
  • 田沢湖も西湖も、クニマスの産卵場所の周囲の水温は、四度だった
  • 田沢湖と西湖には共通点があった
ですから「『偶然の一致』とは何か」と問われたら、解答の条件に応じて近い順から正解を考える必要があります。

ここで「『命をつなぐ』とはどういうことだろう」と、筆者が考える命の意味について考えさせてもよいでしょう。

筆者は一匹のクニマスが生まれてから死ぬまでの、一匹の生命を言っているのではありません。
個体としてのクニマスが生きることではなく、種として子孫を残していくことを「命をつなぐ」という言葉から気づかせたいですね。

この13段落には筆者の意図的なミスリードがあります。
それは水深です。
田沢湖の水深と西湖の水深が異なるため「どうして浅い西湖で命をつないでいけたのだろう」と
筆者は問題提起をしています。

水深が異なるとクニマスが生息できないのならば、最初から西湖に放流はしていなかったのではないでしょうか。

ともあれ、この数値に幻惑されてクニマスが西湖で生き延びてきた理由を間違えてしまう生徒もいますから、テスト等に出題してみると良いかもしれませんね。

以上の内容は13段落にすべて書いてあります。
では、「7~12段落では、何を説明しているのでしょう」と問いかけます。

7段落冒頭「そのクニマスが、遠く離れた西湖で見つかった」とあり、
7~12段落はクニマスが見つかった経緯の説明です。

8段落は、クニマスが絶滅したと言われてから、クニマス探しが行われたことを述べています。
そして9段落以降が「西湖で捕れたという黒いマス」はクニマスであることの説明です。

これを理解させてから、
「次の時間は、黒いマスがクニマスであると、どのように証明しているのだろうか読み取ろう」と言って授業を終わります。

このブログの内容を学習プリント(ワークシート)にしました。
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