日本のリーダーシップの研究者だった三隅二不二氏は、リーダーシップの行動特性に注目した「PM理論」を提唱しました。氏は組織が発展するために求められる機能は2つあると考えました。

1つは目標達成機能(P機能)で、組織が決めた目的の達成とそれに関連する課題を解決していく機能です。例えば学校の中では、教科の学習も「ねらい」の達成を目標とする以上ためこれに含まれます。

もう1つは、集団維持機能(M機能)で、文字通り組織を維持していくための機能です。実際にはメンバーをフォローしたりメンバー間の葛藤を緩和したりすることで、チームワークを強化していきます。学級の集団形成に関わる機能ですね。

組織を維持するにはP機能とM機能が必要であり、リーダーシップを発揮するとは、P(目標達成)行動とM(集団維持)行動の両方を満たすことなのだそうです。
そしてP行動とM行動から、リーダーの特性を4つに分類しています。
  1. PM型=P、Mの機能がともに強い「理想的なリーダーシップスタイル」
  2. P型=Pの機能は強い、Mの機能は弱い「フォロワーへの指示や命令に偏る」
  3. M型=Pの機能は弱い、Mの機能は強い「フォロワーへの気遣いに重点を置く」
  4. pm型=P・Mの機能がともに弱い「放任主義型のスタイル」
「PM型」は、理想の教師です。
生徒の満足度が高く、学級経営も含めた学習の成果を上げる力も高いカースト第1位のパーフェクトティーチャーでしょう。
生徒に的確な指示や具体的なアドバイスができ、フィードバックもきちんと行います。生徒に意識を高く持ってもらうために目指すべき方向性を生徒と共有し、目標を行動ベースで分かりやすく指示できるタイプです。(P行動)
また生徒の話(発言……不規則発言も含む)によく耳を傾け、的確に授業に位置づけ、生徒指導にあたっては相談にも親身に乗ります。生徒の気持ちを気遣い、絆を強めていくことで一体感が生まれ、難しい問題にも立ち向かっていこうとする学習集団が形成できます。(M行動)

「P型」は、成果を上げるための指示や命令が中心の教師です。
生徒の人間関係への配慮が欠け、生徒は常に教師からプレッシャーをかけられていると感じます。
短期的には成果が出るかもしれませんが、長期的にはモチベーションやパフォーマンスの低下につながるでしょう。
第2位「残虐なリーダー」ならまだしも「栄光ある孤立」や「自己中心」の教師では、生徒は言うことを聞いてくれません。

「M型」は、生徒への気遣いに重点を置く教師です。
生徒との人間関係は良好に保たれますが、生徒指導上の問題が発生した時の対処は難しくなります。また授業でも、綿密な計画を立てて授業を引っ張っていかなければならないときは、M型のリーダーシップだけでは不十分です。
「栄光ある孤立」や「いいヤツ」では頼りにされないのです。

「pm型」は、放任主義型のダメ教師です。
授業や学級経営の目標設定が弱く、人間関係の調整も不十分なため、生徒のモチベーションが低く授業の成果も上がりません。

教育書などによると「PM型教師になりましょう」とありますが、できたら苦労しません。
せめて私たちにできることは、自分の特性を知り、がんばってP行動とM行動を場面によって演じ分けることだと思います。

例えば、クラスで物事を決めなければいけないときはP行動を積極的にとり、生徒の間で揉め事が起きた場合はM行動として解決に向けた働きかけを行うことができるといいですね。
PM理論01


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