自転車はとても便利な道具です。しかしその一方で交通事故の被害者となることもあります。そしてそれ以上に、道路交通法等を守らないと加害者となることもあります。

SNSも同じです。

生徒が犯罪とは知らずにネット上で行ったり、投稿したりというケースがあります。これらは「知らなかった」では済まされません。
以下の内容は、過去に犯罪として扱われたケースからの抽出ですから、実際は裁判になってから犯罪として確定します。
しかしあらかじめ知っておいて、危ない橋は渡らないに越したことはありません。
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1. 名誉棄損・侮辱罪

悪評の流布
  要するに悪口をまき散らすことなのですが、度が過ぎると犯罪です。
相手の評判を落とすために故意にあることないことネット上に流したりすることが発端となります。
プライバシー侵害にもなる個人情報を含めての悪評の流布は悪質とされます。
個人が特定された場合、名誉棄損罪、侮辱罪へと発展する確率も高くなります。
「ネットいじめ」もこのケースに該当します。

なりすまし
他人のふりをして、ネット上で活動することです。
なりすましている相手に害を及ぼす場合アウトになる可能性が高いと思います。
ネット上で「他人のふりをする(なりすます)」ことは犯罪となる可能性があります。
なりすます相手が企業や団体などの場合、「業務妨害」となることもあります。

2. 業務妨害

悪評の流布
悪評の対象が企業等の何らかの団体である場合、業務妨害に該当する可能性があります。
特定の製品やサービスなどを利用した(または実際にしていなくても)感想などといったかたちで、必要以上に過激な表現で酷評したり、不買や破棄を推奨してしまうケースなどはアウトです。

犯行予告
ネット上で「犯行予告」をしてもアウトです。
ニュースなどで目にすることが多いですが「テストがいやだから」という理由でやってしまうと『威力業務妨害罪』、単にいたずら目的の場合でも『軽犯罪法違反』となる場合があります。

3. 不正アクセス法違反

他人のアカウント(ID)やパスワードを聞き出したり盗んだりして不正にログインするのはアウトです。
よくあるケースとしては、オンラインゲームのアカウントに不正にアクセスし、ゲーム内のアイテムを奪うような行為があります。ゲーム内のアイテムがらみは必ずお金が絡んできます。

4. 違法アップロード/ダウンロード

自身が著作権を持たない音声および映像等のアップロードです。他人がダウンロードできる状態で、自身が著作権を持たない音声や動画をアップロードすると著作権の侵害として罪に問われる可能性があります。自身で購入した音楽や動画、マンガのスキャン画像などをアップロードしてもアウトです。また、2010年の著作権法改正により、違法アップロードされたものだと知りながらダウンロードしてもアウトです。生徒が安易に手を出しやすい犯罪です。
  
5. プライバシー侵害

生徒たちのネット利用では個人情報漏洩に該当する行為が多いようです。
ネット上に他人の個人的な情報、および個人を特定できる情報を流布してしまえばアウトです。
普段の会話の延長としてネットを利用しているという感覚で書きこんでいるとやってしまいます。
ネットというものは、人通りの多い繁華街で大声で叫ぶようなものなのです。

6. わいせつ物頒布罪

生徒の間では、笑いのネタとして安易にやってしまいそうです。
自画取りわいせつ画像・動画の拡散はもちろんですが、友達の家に集まって友達の画像・動画を拡散した場合はリベンジポルノになる可能性があります。
自分のならいいだろ、ということにはなりません。

7. 児童ポルノ禁止法違反

更にリベンジポルノ、わいせつ物頒布で被写体(写っている人物)が未成年の場合、「児童ポルノ禁止法違反」となる場合があります。
中学生の場合は例外なくアウトです。

8. 殺人幇助罪

殺人を企てる者に対して、殺人行為が楽になるように手助け(幇助)する行為です。
  • A もうアイツ殺してやりたいわー
  • B やっちゃえ、やっちゃえー
と言ってAが殺害を実行したらBは殺人幇助罪です。

このような話を切り出されたら、まともに相手をせず、すぐに警察等に連絡するように指導します。
それは「自分は殺人幇助をしていない」ということの証明にもなります。

9. 脅迫罪

「殺す」、「刺す」など、「~するぞ!」と、相手の脅威となる行動を示唆して脅すことで「脅迫罪」です。
実際に害を加えなくてもアウトで、場合によっては「自殺教唆罪」に問われる場合もあります。
結果として相手が自殺してしまった場合などは完全アウトです。

10.強要罪、恐喝罪

「強要罪」は、人に義務の無いことを行わせる行為です。
土下座させたり、詫び状や反省文を書かせたり、必要以上に謝罪を求める行為がこれに該当する可能性があります。

「恐喝罪」は、脅して物や金銭を得たり、それを第三者に得させる行為です。
「謝罪をかたちにしろ」と言って不当な慰謝料を請求したり、追加で物品を要求したりするとアウトです。物や金銭を実際に受け取っていなくても、「恐喝した(脅した)」という行為だけでも、恐喝未遂として扱われます。

勢いで書いてしまったとしても、それは言い訳にすらなりません。
どんなに頭にきても、強要や恐喝に踏み込まないよう、冷静に対処できない生徒はSNSをしてはいけないと思います。

11.自殺教唆罪、自殺幇助罪

自殺の方向に導いていったり、自殺しやすいように手助けする行為です。
「死ね!消えろ!」などと強く連呼したり、「死んだら楽になるよ」などと一見優しく伝えたとしても、相手が自殺した場合は自殺教唆罪に該当する可能性があります。
また「睡眠薬で死んだら楽でいいよ!」(あくまで例です)みたいなことを発言すると、自殺幇助罪に該当する可能性があります。冗談だと思っていた、では通じません。
  
ネット上といえども、リアルの世界となんら変わらない現実の世界です。
しっかりした知識を身に付け、自分自身が犯罪者とならないよう、危険に近づかないよう、指導しておきましょう。
また、ご家庭もこのような認識の薄い場合があります。

まさに「知らないことは罪」なのだと思います。

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