高校入試で出題される文章は、大きく説明的文章と文学的文章に分かれています。
学習指導要領で求める、学力という言葉の代わりに登場した「資質・能力」は、説明的文章を非常に重視しているのはご存じの通りです。中でも高校入試等で扱われるのは評論文や論説文です。
PISAや全国学調などでも、同じ題材に対する異なった評論文や論説文を複数読ませて比較させる問題が多いようです。

説明的文章の中の「説明文」とは、あるものの使い方、あることの内容をわかりやすく書いたものです。電気製品のマニュアルなどが代表的な例です。
教科書で言うと一年生の「ダイコンは大きな根?」のダイコンの仕組みや二年生の「生物が記録する科学」のバイオロギングの効用を、ただ説明しようとしている文章ですね。

これに対し「論説文」は、筆者の頭の中にある考えを論理的に書いたものです。
二年生の「科学はあなたの中にある」のように「科学とは何か」や、三年生の「『批評』のことばをためる」のように「人間が成長するために必要なものは何か」という問いに対する答えを論理的にを説明しようとしている文章がそうです。随筆は文学的文章にウェイトがかかっているものと説明的文章にウェイトがかかっているものとがありますが、二年生の「言葉の力」などは、この論説文に近い文章でしょう。

「評論文」は、この説明文と論説文の中間にあたります。何か現実にあるものを批評し、それに対する自分の考えを説明する文章です。「何かの事柄」とは現実にあるものとは限りません。実際に起こった事件や事故など以外に他人の考えを評論することもあります。

この二年生の「君は『最後の晩餐』を見たか」が唯一の評論文ということになります。

「評論家」という言葉が、時として責任感がない傍観者で文句ばかり言う人の比喩で使われるのも、評論するには何か元になるモノがないとできないからのように感じます。
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学校では、説明的文章の読解として次の教材を使って指導しているところが多いと思います。(平成元年現在。説明的文章は教科書改訂毎に差し替えられることが多い。)

1年
  •   6月 説明「ダイコンは大きな根?」
  •   6月 説明「ちょっと立ち止まって」
  • 11月 説明「幻の魚は生きていた」
2年
  •   6月 説明「生物が記録する科学」
  •   7月 随筆「言葉の力」
  • 10月 論説「モアイは語る」
  • 11月 評論「君は『最後の晩餐』を知っているか」
  •   2月 論説「科学はあなたの中にある」
3年
  •   5月 説明「月の起源を探る」
  •   7月 論説「『批評』の言葉をためる」
  • 11月 論説「作られた『物語』を超えて」
  •   1月 論説「誰かの代わりに」

今の二年生は、今後「科学はあなたの中にある」「『批評』の言葉をためる」等を学習することになっていますが、現実問題としてどうでしょう。書写指導や文法の学習、修学旅行等の行事などに追われて、きちんと説明的文章の指導をしないまま総合テストや模擬テスト等に突入する危険があります。

確かに10月教材「モアイは語る」で説明的文章を扱っていますから、「最後の晩餐」は唯一の評論文とはいえ、サラッと取り扱っておきたい教材でもあります。
生徒にとって、ある程度の基礎知識がないと正確な読解は難しい文章ですが、チャレンジさせることも必要かも知れません。
(同じ時期にやる「走れメロス」はツッコミどころ満載の小説ですので、「走れメロス」の批評文を書かせるという指導をしたこともあります。)

この4時間扱いの教材を、より効率よく消化する方法を考えてみましょう。
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実際に授業で使用したプリントをBOOTHにておわけいたします。
よろしければご利用ください。


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