学級によって異なるローカルルールがあることは生徒だって知っています。
ですから四月当初は、「○○はしていいですか?」「○○はどうしたらいいですか?」と聞きに来る生徒が多いと思います。
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その都度判断に迫られるため、その場であまり考えずに答えてしまうことがあります。これが、他の生徒が同じようなことを聞いた時に違うように答えてしまう原因です。
また、このくらいは自分で考えて欲しいと思い「自分で考えなさい」と言うこともあるでしょう。「自分で考え」た結果、生徒はみんな同じ結論を出すとは限りません。
結局「先生はブレている」と思われてしまいます。

しかしこのように単純に質問してくる生徒は、素直で良い生徒だと思います。
中には、新しい担任が決めた基準に対して「前の先生は○○だったよ」という生徒もいるでしょう。
この場合は「ヨソはヨソ、ウチはウチ」と言い放ち、ルール破りに対しては毅然として対応しましょう。
(これは一年生の最後に「来年は新しい担任のルールに従うように」と言って欲しいことでもあります。)

更に注意しなくてはいけないのは、「先生、提出物は明日でもいいですか?」というように、わかっていることをあえて微妙な言い回しで質問してくる場合です。
これは「先生は良いと言った」という言(げん)質(ち)をとるための質問です。
これに対しては毅然とした対応が求められます。

対策としては、予想される質問に対し、あらかじめどう答えたらいいのかしっかりと準備することです。
これは指導案の「予想される生徒の反応」の考え方と同じです。生徒目線に立って考えればよいのです。
そして「これは」と思うものは、成文化して全体に提示してしまいましょう。

これが最もローリスクでできるのは四月当初しかありません。
どのようなことを決めておかなくてはならないかは、実際に生徒目線に立って、経験していって欲しいと思います。

しかし、みなさんにとって予測できないことも多いと思います。
判断に困るような時には、すぐに答えずに時間を置くようにしましょう。

「ちょっと学年の先生に聞くまで待っていて」と、少しだけ時間を伸ばします。
その後、学年の先生達に確認をすれば、たいていは明確な基準を示してくれるはずです。

生徒の質問にすぐに答えられないのは信頼してもらえないかも、と思うかも知れませんが、誤った判断を下すよりもずっといいと思います。
自分の判断が間違っていて、一度許可してしまったことを取り消すことは、膨大なエネルギーが必要になります。
「えー、先生はこの前いいって言ったのに……」と教師の「判断がブレる」ことこそが、教師への信頼感を少しずつ失わせる原因の一つです。

それでもルールの変更をしなくてはいけない時があります。
その時は正々堂々と全体の場で伝えることです。

初期のルール設定が終わってそれに慣れた時期に、生徒が「先生、○○してもいいですか?」と聞いてくることがあります。
学級の状況や生徒の気持ちは刻々と変化していきます。その中で生徒自身が判断に迷っているのです。
「ルールを設定していないから設定して欲しい」あるいは「一度定めたルールを違う形にしてよいか」ということを聞いていることになります。またカースト上位の生徒が自分に都合の良いようにルールを変えようとしている場合もあります。

いくらもっともな話でも「では、そのようにしよう!」とその場で答えてはいけません。

この段階では、話をした生徒にとってルールは変わっていますが、それ以外の生徒にとっては以前のルールのままだからです。
そのため「ルールの変更は全員が聞いている場で行う」必要があります。

良い提案をしてきた生徒には「では、後でみんなの前で確認をするからね。」と伝え、帰りの会など全体の場で、全員にルールを変更することを伝えます。

この様な手続きをとれば、「不公平だ」などと言われることは減っていくと思います。

生徒たちに不公平感を感じさせないこと、正直者にバカをみさせないこと、自分の担任の先生は公明正大であり正義の味方であることを印象づけるために、一瞬でも気を抜いたら負けなのです。

                                                                              ……よいお年を。