半世紀以上も前の話ですが、いつも長い竹の棒を持ち、子どもが何かやらかすと「足を広げろ、歯を食いしばれ」と言って、履いていたサンダルで思い切りビンタをする先生がいました。
足を広げるのは転ばないように、歯を食いしばるのは口の中を切らないようにという温かな配慮です。
マンガなどでは宿題を忘れると廊下にバケツを持って立たされるというシーンが当たり前にありました。
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『日常』©京都アニメーション
時代は移り、教員の体罰がマスコミで話題になったのは今から20年ほど前、学級崩壊と言われた2000年代初頭からだったように思います。

この頃から増えたというのではなく、盛んに話題にされるようになった、ということです。
「学校内では不祥事、学校外では犯罪」と言われ、世間の目がとても厳しくなったのです。

実際は、5年ほど前のデータですが、教職員の犯罪は教職員全体の約1~2%で、世間一般の割合が5~7%ですから、多いとは言えないと思います。

世間でめったにない犯罪は体罰です。

何かを暴力で解決しようとするのは国家でなければ反社会的組織の方々しかいませんからね。

刑事上は暴行罪、傷害罪、過失傷害罪に該当し、民事上は医療費・慰謝料の賠償が発生します。
そして行政上は地方公務員法違反ですから、児童生徒を死亡させ、又は心身に重篤な障害を負わせた場合免職または停職、心身に障害を負わせた場合は停職または減給、常習的だったり悪質だったりした場合は停職、減給または戒告、その他の場合でも減給又は戒告の処分が下されます。

体罰が問題になった当初、発覚するのは主に保護者から校長または教育委員会への通報によってでした。
しかし2013年頃から「いじめ体罰調査」が行われ、子ども達から挙げられた内容が精査され、県教委にまで上げられるようになりました。

誰もが「自分は大丈夫だろうか」と疑心暗鬼にかられ、戦々恐々としたことを思い出します。
現在も年に4~5回行われています。誠に効果的な施策だと思います。

しかし、私たちも人間ですから、感情があります。

私は、もし授業で自分の話を聞いてもらえなかったら、それは自分の授業が悪いせいだと考えるようにしてきました。
しかし最近は発達障害が疑われる子どもが多くなり、どんなに授業で頑張っても無理なことがあります。
これはユニバーサルデザインの問題で、そういう子なのですから叱っても効果は期待できないので無駄なことはしません。おなかがすくだけです……。

しかしそれでも、部活や小学校では運動会など、つい熱くなることもあります。
ついつい自分も思うとおりにならないと、カッとなってしまいます。
 
「闇雲になるな、腹を立てるな、手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に」

「心は熱く、頭は冷静に」というのはギリスの有名な経済学者の言葉です。マンガなどで、スポーツものの登場人物や殺し屋などがアレンジして使っています。

退職金をもらうまでは、ずっと綺麗な手でいたいですよね。
そのためには闇雲に突っ走らないこと、腹を立てないこと……つまり「適当」「良い加減」をわきまえることも大切だと思います。
そしてそのために「心は熱く、頭は冷静に」していることがポイントです。とは言っても、なかなかそれができないのが若さの特権でしょう。

信頼関係があれば……というのは妄言です。
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「ぶったね……二度もぶったね」
「親父にもぶたれたこともないのに」とガンダムのアムロ君が言ったのは、今から40年も前の話。
親に殴られたことのない子ども達があなたを信頼するのは、あなたが体罰を振るわないからです。
体罰を振るった時点であなたは子どもの信頼を失うのです。

「いじめ体罰調査」にチクられ、処分の対象となると考えましょう。