勉強した内容がなかなか覚えられない……。
これは中学生に共通する悩みだと思います。

下のウォータールー大学の研究を見てみましょう。
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初日は、まず何も知らないところから勉強をして、新しい知識を得ます。
この直後の記憶は100%です。

復習せずにいると、図の黒い線のようにどんどんと忘れてしまいます。

しかし、学習した後、24時間以内に10分間の復習をすると、記憶率は100%に戻ります。
そして次の復習は、一週間以内にたった5分すれば記憶がよみがえるのです。
更にもう一度、一か月以内に2~4分復習すれば、また記憶は復活し定着していきます。

それはすぐに忘れてしまう短期記憶から、時間が経っても忘れない長期記憶に移行するからです。

つまり授業後一日以内、一週間以内、一か月以内の三回、合計20分ほどの復習すれば、定期テストの時にほとんどの内容を覚えていられるということです。

テスト直前まで復習をしないと、その時は既に80%もの内容を忘れているはずです。
一夜漬けの勉強というのは、この忘れた80%の内容を思い出す作業です。

一日以内、一週間以内、一ヶ月以内にそれぞれ10分、5分、2~4分の復習をすることに比べ、一夜漬けというのが、いかにムダであるかがわかると思います。

人は忘れる生き物……エビングハウスの忘却曲線

これは「エビングハウスの忘却曲線」と言われる研究がもとになっています。

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは1885年、時間の経過とともに人の記憶がどのように変化していくかを研究し忘却曲線(forgetting curve)を発表しました。
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ここから、人は一日経過しただけで半分以上忘れてしまうことがわかります。

人間の脳はものを忘れるようになっているのです。

この研究は、意味を持たない三つのアルファベットの羅列を大量に覚えさせ、どれくらいのスピードで忘れられていくかを調べたものです。
しかし、覚えようとすることに意味をもたせることで、定着率は更に高まることがわかってきました。

例えば漢字などがそうです。
漢字練習はただ書くのではなく、読み方や漢字の意味、使われ方などを一緒に覚えると効果的なのです。

暗記モノに効果絶大

一日以内に10分、一週間以内に5分、一か月以内に2~4分の三回復習したことは、長期記憶として定着します。
特に暗記が必要な内容は効果が絶大です。

定期テストだけではありません。
特に三年生になって、受験を考えるようになったとき、一年生の時から長期記憶を蓄えておくと有利なのです。

例えば国語の漢字や英単語は字形や綴りを覚えるだけでなく、読み方や発音、意味や用例などを同時に口に出して言いながら練習していくとより覚えやすくなります。
字形や綴りにさまざまなことを関連づけることができるからです。

機械的に書き写すのでは力がつかないことは誰でも知っていることです。
だからムダだ、と考えるのは間違いです。
大切なのは、何をどのようにして覚え、結果として力をつけるかです。
国語の漢字ばかりでなく、社会の歴史用語や理科の用語なども、漢字練習帳を使い積極的に書いて覚えましょう。

思考力とは言うけれど……知識なしでは考えられない

「ゆとり教育」の時代「これからは知識ではなく思考力だ」と言われました。
これはその通りだと思います。

しかし「知識は不必要となる」と文科省は絶対に言いませんでした。
(そう言ったのは、一部のマスコミとそれに踊らされた人たちです。)

なぜなら思考力とは、知識と知識を結びつけて新しい知識を創り出す作業だからです。

ベースとなる知識がなければ新しい知識を産み出すことなどできないのです。

例えば、ラーメン屋のご主人が新しい味を創り出そうとした、としましょう。
彼は、たくさんのラーメンを食べ歩き、様々な調理法を研究し……そういったたくさんの知識を得た上でなくては新しいラーメンを創り出すことはできないでしょう。

他のラーメンを知らなければ、自分のラーメンが新しいものなのか、そうでないのかすらわかりませんからね。

文科省は、思考力を伸ばすためには知識が必要であることを知っていたのです。
みなさんには、今まで以上にたくさんの知識を身につけた上で、それらの知識を目的に応じて結びつけ、あたらしい知識を創り出す力が求められているのです。

そして、その力が身につかなかったとしたら……それは「自己責任」であると、文科省は考えているようです。怖いですね。(意見には個人差があります。)