ある日のデートで
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某月某日A君はCさんと初めてデートした。待ち合わせは駅前だ。

「待った?」「ううん、今来たとこ。」

お約束の会話が続く。

同じ日B君もDさんと初めてデートをした。
待ち合わせをしてお約束の会話をしたところまでは同じだった。

しかしその後A君はCさんにフラれ、B君はDさんと楽しい時を過ごした。

なぜだろう。

CさんもDさんも、実は初めてのデートで少しおしゃれをしてきたのだ。
そしてA君はそれに気づかず、B君は気づいて「かわいいね」とほめた。

それが二人の明暗を分けたのだ。

CさんもDさんも、なぜおしゃれをしたのだろう。
それは自分を飾り、より注目して欲しかったからだ。
おしゃれやお化粧はそういう意味を持っている。

これはデートだけではない。
人は、他人に見て欲しいところにおしゃれやお化粧をするものなのである。

文章も同じだ。
特に文学的文章で作者は、読者に注目して欲しい所に文章のお化粧を施す。

これがレトリック(表現技法)だ。

レトリックをきちんと気づき、正しくほめてあげることが文学的文章読解の大きなポイントとなる。
もしお化粧に気づかず、ほめてあげることができなければ、あなたはフラれ、そのことをテストなどで思い知ることになる。

いろいろな表現技法

一年生の教科書の最後の方に「さまざまな表現技法」という単元がある。
そこでは「言葉の並べ方の工夫」として、体言止め、倒置、反復、対句、省略が、
「比喩」として直喩、隠喩、擬人法が挙げられている。

また古文や漢文で用いられるものとして押韻や係り結びが出てくる。
更に二年生の短歌、三年生の俳句でも、それぞれ独特の表現技法がある。

表現技法は文学的文章の主題など解明するための重要な手がかりだ。
これらの表現技法はをきちんと暗記し、どの表現技法が用いられているか、必ずチェックしながら文章を読むクセをつけよう。

比喩を制する者は読解を制す

「A先生はバラの花のように美しい」という表現がある。
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このように「○○は△△のように□□だ」と表現する比喩を直喩という。
同じ比喩でも「A先生はバラの花だ」という表現を隠喩という。

直喩も隠喩も、A先生の美しさをバラの花にたとえているが、隠喩には「□□だ」の部分がない。
読者の想像に委ねられるのだ。

だからと言って、A先生を下の写真のようなモンスターであると解釈するのは間違いだ。

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ショッカー怪人 バラランガ ©東映 
例えば小学校で歌われる運動会の歌「ゴーゴーゴー」を考えてみよう。

「ぼくらは白い稲妻だ/突き進む光の矢」という歌詞がある。
この隠喩は、白組が力強く激しく超高速で前進するところが稲妻と同じだ、と言っているのだ。

隠喩は文学的文章に特に多い表現技法だ。
何気なく読んでいるとわかったつもりになって読み飛ばしてしまう。
しかしそこがテストなどで問われるところなのだ。

隠喩を発見したら、何のどんなところを何に例えているのか、しっかり言葉にしてみよう。