三時間目 省略された言葉を補う
  • 明生君はどうしたいのでしょう。
「仲良くなりたい」等の答えはすぐ返ってくると思います。
  • それは、どこに書いてありますか。残念ながら、どこにも書いてありません。しかし、なんとなくわかりますね。
  • この文章には、「読者はわかっているから」ということで、わざと大切な言葉を省いています。わたしたちは、その大切な言葉をわかったつもりになって読んでいるのです。しかし、実ははっきりとわかっていないことが多いようです。
  • 今日は、書いてある内容がはっきりわかっているか、確かめながら読んでいきましょう。
と言い、本時のねらい「省略された言葉を補う」を板書します。

なかなか厄介だ
  • 何が厄介なのですか?
  • なぜ厄介なのですか?
  • 明生は具体的に何をしたいのですか?
「この三つを、はっきり言葉でつかまえましょう。」

厄介とは「手間がかかって面倒なこと」です。

「何が厄介なのか」は、主語を探せば良いことをおさえる学習です。
「チーム競技が」が主語です。
つまり、これ以外の答えはないことを知らせます。

主語・述語の言葉は小学校二年生の教科書に既に登場しています。

「なぜ厄介なのか」は、なじんでいない仲間とやるからです。
これは修飾語(修飾部)を見ればわかります。

主部として考えると「まだなじんでいない仲間とのチーム競技は」となります。
「まだなじんでいない仲間との」は、「チーム競技」の条件づけです。
主部で答えが出たら、「なぜ厄介なのか」はスルーします。

ここからが思考・判断・表現力の学習です。

なぜそう言えるのか

これは、既有の知識・経験から類推し、判断した結果を表現する学習となります。

なじむ(馴染む)とは「なれてしっくりする」ということです。

ここまでの学習を生かし、
  • まだなじんでいない仲間とのチーム競技は、なかなか厄介だ。
を言葉を補い表現させます。
  • まだ慣れていない仲間とのチーム競技は、チームプレーがうまくできないから、なかなか手間がかかって面倒だ。
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今日はなんとかなるかもしれない。

  • 「なんとかなる」と言っているが、明生は面倒なことを承知で何をどうしようと考えているのか。五十字以内で書きなさい。
これを考えさせ、書かせ、発表させる活動です。
  • 自分はバスケットが得意なので、バスケットで活躍することにより仲間となじむことができるかもしれない。

で、うまくいったのか、わかるところに傍線をひかせます。
  1. ところが、山崎君の手に当たって、ボールはぽとりと落ちた。
  2. 今日もわずかなとっかかりするりと抜け落ちていった

第1文は、事実を示していることに気づかせ、気持ちが表れている第2文に注目を集めます。
  • 「わずかなとっかかり」は、何のとっかかり(きっかけ)か
  • 「するりと抜け落ちていった」は何を何に例えた比喩か
これがわかるように、第2文を五十字以内で書き直させます。
  • 今日も、小さなクラスの仲間になじむきっかけは、ボールが抜け落ちていくように、するりと消えてしまった

本時のポイントは、生徒が「わかっている」と考えていることを、しっかり表現させることです。
これに時間をかけた方が良いと思います。

文章を書き慣れたクラスなら、これで授業の2/3でできると思います。
ゆっくり展開すると一時間かかるかもしれません。

時間があれば「抜け落ちていった」と「抜け落ちた」の表現の違いを説明させても良いと思います。

もし早く終わってしまったら、次の時間の主眼
なぜ明生君と川口君は友だちになれそうに感じとれるのだろう
を示し、説明の方法を考えさせても良いと思います。