十種神宝 中学国語の基礎・基本

稗田先生は、永く公立小中学校にお勤めでした。 その先生からお聞きした、 主に中学校の国語の教材のことなどを 書き留めました。

カテゴリ:中学国語 授業のヒント > 学習法

来年度から実施される新学習指導要領では「何ができるようになったか」「何か身についたか」で成績をつけることとなった。
具体的には「学びに向かう力、人間性等」「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」の三つの観点から評価されるのだ。

今まで宿題や授業中の挙手は「関心・意欲・態度」として提出率や回数などから評価していた。
しかし来年度からは、結果として「できたか、できなかったか」が問われるようになる。
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評価されるのは「主体的に学習に取り組む態度」

では、挙手や宿題は評価されないかというと、そうではない。
「学びに向かう力、人間性等」の中の「主体的に学習に取り組む態度」として評価される。

しかし「頑張った」というような感性等はその場で評価はしても、評定には含まないことになっている。
具体的には、ノートやレポート等や授業中の発言の内容が評価される。
つまり回数ではなく中身をみられることになるのだ。

例えば、漢字学習帳を毎日提出したとしよう。
簡単な字を汚く書いたのでは評価は低い。
同じように授業中のふざけた発言は最低の評価が下されることは間違いない。

では、もし提出しなかったらどうなるだろう。

美術や技術の作品提出について考えてみて欲しい。
もし提出しなかったら、当然評価できない。
その結果、最低の評価となるということは知っているだろう。

宿題を提出しなかったり、授業中発言しなかったりすると、その都度最低の評価が下されることになるのだ。

宿題はなくならない。
そして今まで以上に「主体的に学習に取り組む態度」が評価されるようになるのだ。

成績を上げるには

三つの観点のうち「知識・技能」は、授業で学んだ知識や技能をどの程度身につけているか、またそれを活用できるかが評価される。

思考・判断・表現」は、身につけた「知識・技能」を活用して課題を解決する力がどの程度あるか評価される。
ポイントは「身につけた『知識・技能』を活用して」だ。知識・技能が身についていなければ、思考・判断・表現力は評価できないことになる。

そして「主体的に学習に取り組む態度」とは、これらを身につけたるために、どれだけ積極的に行動したかが問われる。

「知識・技能」が身についていなければ「思考・判断・表現」の成績を伸ばすことは難しいということを肝に銘じてほしい。
そして、そのためにも、きちんと予習し、授業を真面目に受け、忘れずに復習し、それを提出することが、成績を上げる重要なポイントとなることに間違いはない。

評価と評定

ここで評価と評定の違いについて説明しよう。

通知表を見てみよう。ABCと1~5がある。
ABCを評価1~5を評定という。

評価はテストや授業の様子などから、それぞれの項目ごとにどの程度できたかを三段階で示したものだ。
一方評定は、評価を総合的に見た結果を五段階で示したものである。

来年度から国語も評定は三項目になる。「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」だ。

まず「主体的に学習に取り組む態度」を高めよう。
そうすれば「知識・技能」が伸びてくる。「知識・技能」があれば「思考・判断・表現」も伸び、高い評定も期待できるに違いない。

春休みはどうであったか

コロナウィスル蔓延防止のために、約一ヶ月間の休みになった。
これに伴い、休み中の学習について「どうするのか」がマスコミ等を賑わわせた。

中学生諸君は、これをどのようにとらえ、生活したかが問われることになる。

休みが始まる直前、大量のプリントなどを持ち帰ったと思う。
そうでなくても一年間にたまったノート、返却された単元プリントなどがあると思う。
新一年生ならば六年間の理科や社会の教科書など、復習するネタには困らなかったはずだ。

「宿題がないから、何を勉強したらいいかわからない」というのでは「主体的に学習に取り組む態度」がないと評価されてもしかたがないと思う。
ましてや、この一ヶ月間の怠惰な生活を引きずっているのは、甘え以外の何者でもない。

今からでも間に合う。
「主体的に学習に取り組む態度」を培って欲しい。





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勉強した内容がなかなか覚えられない……。
これは中学生に共通する悩みだと思います。

下のウォータールー大学の研究を見てみましょう。
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初日は、まず何も知らないところから勉強をして、新しい知識を得ます。
この直後の記憶は100%です。

復習せずにいると、図の黒い線のようにどんどんと忘れてしまいます。

しかし、学習した後、24時間以内に10分間の復習をすると、記憶率は100%に戻ります。
そして次の復習は、一週間以内にたった5分すれば記憶がよみがえるのです。
更にもう一度、一か月以内に2~4分復習すれば、また記憶は復活し定着していきます。

それはすぐに忘れてしまう短期記憶から、時間が経っても忘れない長期記憶に移行するからです。

つまり授業後一日以内、一週間以内、一か月以内の三回、合計20分ほどの復習すれば、定期テストの時にほとんどの内容を覚えていられるということです。

テスト直前まで復習をしないと、その時は既に80%もの内容を忘れているはずです。
一夜漬けの勉強というのは、この忘れた80%の内容を思い出す作業です。

一日以内、一週間以内、一ヶ月以内にそれぞれ10分、5分、2~4分の復習をすることに比べ、一夜漬けというのが、いかにムダであるかがわかると思います。

人は忘れる生き物……エビングハウスの忘却曲線

これは「エビングハウスの忘却曲線」と言われる研究がもとになっています。

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは1885年、時間の経過とともに人の記憶がどのように変化していくかを研究し忘却曲線(forgetting curve)を発表しました。
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ここから、人は一日経過しただけで半分以上忘れてしまうことがわかります。

人間の脳はものを忘れるようになっているのです。

この研究は、意味を持たない三つのアルファベットの羅列を大量に覚えさせ、どれくらいのスピードで忘れられていくかを調べたものです。
しかし、覚えようとすることに意味をもたせることで、定着率は更に高まることがわかってきました。

例えば漢字などがそうです。
漢字練習はただ書くのではなく、読み方や漢字の意味、使われ方などを一緒に覚えると効果的なのです。

暗記モノに効果絶大

一日以内に10分、一週間以内に5分、一か月以内に2~4分の三回復習したことは、長期記憶として定着します。
特に暗記が必要な内容は効果が絶大です。

定期テストだけではありません。
特に三年生になって、受験を考えるようになったとき、一年生の時から長期記憶を蓄えておくと有利なのです。

例えば国語の漢字や英単語は字形や綴りを覚えるだけでなく、読み方や発音、意味や用例などを同時に口に出して言いながら練習していくとより覚えやすくなります。
字形や綴りにさまざまなことを関連づけることができるからです。

機械的に書き写すのでは力がつかないことは誰でも知っていることです。
だからムダだ、と考えるのは間違いです。
大切なのは、何をどのようにして覚え、結果として力をつけるかです。
国語の漢字ばかりでなく、社会の歴史用語や理科の用語なども、漢字練習帳を使い積極的に書いて覚えましょう。

思考力とは言うけれど……知識なしでは考えられない

「ゆとり教育」の時代「これからは知識ではなく思考力だ」と言われました。
これはその通りだと思います。

しかし「知識は不必要となる」と文科省は絶対に言いませんでした。
(そう言ったのは、一部のマスコミとそれに踊らされた人たちです。)

なぜなら思考力とは、知識と知識を結びつけて新しい知識を創り出す作業だからです。

ベースとなる知識がなければ新しい知識を産み出すことなどできないのです。

例えば、ラーメン屋のご主人が新しい味を創り出そうとした、としましょう。
彼は、たくさんのラーメンを食べ歩き、様々な調理法を研究し……そういったたくさんの知識を得た上でなくては新しいラーメンを創り出すことはできないでしょう。

他のラーメンを知らなければ、自分のラーメンが新しいものなのか、そうでないのかすらわかりませんからね。

文科省は、思考力を伸ばすためには知識が必要であることを知っていたのです。
みなさんには、今まで以上にたくさんの知識を身につけた上で、それらの知識を目的に応じて結びつけ、あたらしい知識を創り出す力が求められているのです。

そして、その力が身につかなかったとしたら……それは「自己責任」であると、文科省は考えているようです。怖いですね。(意見には個人差があります。)

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『北斗の拳』©原哲夫・武論尊/講談社
天空にふたつの極星あり。
すなわち北斗と南斗。

森羅万象二極一対、男と女、陰と陽、仁王像の阿と吽。

国語教材しかり。文学的文章と説明的文章!!

文学的文章と説明的文章

小学校で学習した「やまなし」や「カレーライス」などが文学的文章、「『鳥獣戯画』を読む」などが説明的文章です。

文学的文章はフィクションであり、書かれている内容は事実とは限りません。
書いた人は作者と呼ばれ、最も主張していることは主題と呼ばれます。

一方説明的文章は事実や考えを説明しようとしたものです。
書いた人は筆者と呼ばれ、主張したいことは要旨と呼ばれます。

教科書の目次などを見れば、作者と書かれているか筆者と書かれているかで、この二つを見分けることができます。

受け技を極める

北斗神拳の源流は2000年前に生み出された北斗宗家の拳にあります。
この拳は極められた無敵の拳でした。しかしそれ故に受け技も極められて威を喪失しました。

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同じように文章も、作者や筆者の思想を表現するために極められたコミュニケーションの手段であり、それ故に読解の方法も極められています。

文学的文章と説明的文章は、まったく性質が異なるものです。
ですから、それぞれの読解の方法も違います。
文章を目の前にしたとき、その文章は文学的文章なのか説明的文章なのかをまず見極めましょう。
そして、それぞれに応じた読み方をすることによって、より速くより正確に理解することができるようになります。

国語の授業の大きな目的の一つは、このそれぞれの文章に応じた読み方を身につけることにあります。
この受け技を身につけることにより、テストでの高得点も期待できるのです。

文章の種類に応じた読解方法を身につけよう

国語の授業というと、教科書を読んでその内容を学ぶという印象があります。
しかしそれは間違いです。

例えば一年生に「ダイコンは大きな根?」という教材があります。
書かれている内容はダイコンの根はどこからどこまでかという話です。
これは理科の「植物のしくみ」の授業で学ぶべきことです。

国語は、テキストに書かれている内容を学ぶ教科ではありません。
テキストを使って、文学的文章と説明的文章それぞれの読み取り方を学ぶ教科なのです。

読解を制する者は入試を制する

高校入試の国語の問題は、説明的文章、コミュニケーション問題、語句、古文、文学的文章の問題に大きく分かれています。

この中で読解が必要な問題は、選択肢・抜き出し・短答の読解問題だけで約50点ほどの配点があります。
また記述問題も、読解した内容をもとにして書かせるものが多いことがわかっています。
なぜなら「自由に書きなさい」に対しては採点できないからです。

現代文の読解を制する者が入試を制するのです。
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